近代化をもたらした要因
短期間に経済の近代化を進めることができた背景としては、いろいろな理由が歴史家や経済学者によって分析されています。
ここではそうしたことを学問的に分析するのが目的ではありませんが、とりあえず、私は4つの要因をあげておきたいと思います。
第一に、政府の積極的な近代化政策の実施があります。
しばしば、日本のこの当時の政策が"上からの育成"といわれたように、経済活動においても政府がイニシアチブをとったので、非常に短期間に従来の封建制度から脱却することができたと考えられます。
たとえば、欧米文明を学ぶに積極的であった森有礼という文部大臣は当時、
「まだ三流国である日本を早くニ流国に引き上げ、ついで一流国に追いつき、究極的には万国に冠たれ」
・・・と教師たちに訓辞を与えました。
この言葉が象徴しているように、先進国に「追いつき追い越せ」ということが新政府のねらいです。
そのために経済の分野では「殖産興業」というスローガンを国家目標としてすえ、政府がその先頭に立ちました。
・・・もっとも、その後長いあいだ日本経済には、そのよしあしは別として"政府主導"の影響が残っていくことになります。